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統合失調症の妄想症状と感じた 奇妙な文章を綴ったノート

統合失調症
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不登校でひきこもりになり接することさえ難しくなった息子も、またいつか登校できると私達家族は思っていました。

一方で、もっと深刻な問題なのではないかと漠然と考えたりもしました。

それは妄想めいた思考に気づいたからです。

彼は自分の思うことをノートに綴るようになりました。

その文章を読んだ時には得体の知れない不安に襲われました。

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言葉に敏感でイライラしている

彼は自室にひきこもり、必要な用事以外は出てくることはありませんでした。

それでも広い家ではないので、トイレやお風呂、そして長々と手を洗う時など、同居の祖父母が顔を合わせる機会はたくさんあったと思います。

だけど常に表情は硬く、何が気に障るかわからないので、会話という会話ができる状態ではありませんでした。

食事も自室に持ち込んでしていましたが、食べないということはなく、むしろ過食傾向にあったと思います。

私は実家の近くに住み頻繁に実家に寄っていましたが、その様子は日に日に悪化していくように思えました。

息子の部屋はカーテンが開けられることもなく、本や雑誌に囲まれて薄暗く、清潔とは言えませんでした。

そして中学2年の男の子はすでに子供の様相ではなく、我が子ながら怖いと感じることも多かったです。

ノートに文章を書くようになる

スクールカウンセラーが関わってくれるようになって、その関わりが彼にとっては唯一の人間関係でした。

そこでどのような話をしていたのかは私達は知りません。

私達には言わないようなことも話していたのでしょう。

担当の心理士は若い男性で、息子にとっては兄のような父親のような存在になっていたのかもしれません。

家庭では得られない存在であり、きっと相性が良かったのでしょう。

もしカウンセラーが私くらいの世代の女性だと、母親である私と重なりうまくいかなかったのではないかと思います。

心理士の先生のアドバイスがあったようで、息子はノートに自分の気持ちや考えていることなどを言葉にして文章を書いていました。

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ノートに綴られた文章は妄想の内容

彼は、自分の気持ちを言葉にして伝えるということを器用にできない子供だったと思います。

加えて複雑な家庭内の事情で、彼の気持ちも置き去りになっていた場面はあったと思います。

元々私も、家庭内では何も言わずに黙っていさえすればそれですむと思い、思いを全部飲み込んでしまう癖がありました。

私自身がそのような環境の育ちなのです。

カウンセラーの先生は、気持ちを言葉にして表現し吐き出すということを息子にさせようとしたのではないかと思います。

熱心に書かれた妄想ノート

そのノートを隠しているわけではなく、自分から見せてくれることもありました。

そこには「○○(苗字)家の先祖」などと我が家の家系図のようなものが書かれていました。

私の家は由緒正しい家柄でも何でもなく、貧しい機能不全家族です。

家系図などが出て来る家柄ではありません。

それなのにどこから何を結び付けたのか、何かにつけて「○○家は」と言い、先祖を供養しろ、自分は神の言葉を言っていると言いながら命令するのです。

さらに私に、給料は100万もらっているのだろうと突拍子のないことを言いだしました。

私の収入は世間並で、なぜ100万が出てきたのかわかりません。

そして何度言い聞かせてもその思い込みは修正できないようでした。

100万あるのだから自分にいくら払えとかこんな暮らしをしろと要求し、私を責めるのです。

精神の病気を疑う気持ちと認めたくない気持ち

息子と話すのはとても違和感がありました。

大人の説教が通じないとかそんなレベルのことではありません。

もう何かが起こっているのは明らかでした。

笑うこともほとんどありません。

無表情でいつも緊張していて喋り方にも抑揚があまりありません。

そしてちょっとしたことに過敏で急に怒ります。

特に外見に関することについては、全く関係ない人の話でも(例えば芸能人)自分をバカにしたという意味に結びつけます。

私と両親の会話であっても、自分に意味があると捉えて文句をつけます。

これはすべて妄想なのではないか?

うちの家系図も先祖も神の声も妄想であり、自分がバカにされたとか外見をけなされたと思うのは被害妄想ではないか?

この子は精神に病気があるのではないか?

この頃私の中には、息子は統合失調症ではないかと疑う気持ちがありました。

でも同時にまさかという気持ちもありました。

統合失調症は、100人に1人の割合で罹患すると言われ、想像以上にありふれている病気です。

でもそれはやはり他人事でした。

思考がおかしくても、妄想ではないかと思っても、根本から大きく崩れない限り、変わった子としか思えないのです。

祖父母に至ってはそういう病気のことも知らないため、おかしいとは思ってもそれほど深刻と疑ってなかったと思います。

これは統合失調症を囲む多くの家族の現実ではないかと思います。

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まとめ

妄想は、生活の中の全てにあるわけではなく、その中の一部分です。

だから奇妙だとは思っても、よほどその症状に振り回されていない限りは、案外隠れてしまうものかもしれません。

直感的には何か病気があると思っているけれど、まさかそれはないだろうとも思っています。

それは「そうであってほしくない」という気持ちが根底にあるからだと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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